航海2

コング

コング

「フッフーン」

 コングは自らの筋肉を見せびらかすように次々とポーズを決めていく。

 「…あんた、何がしたい訳?」

 クレアはたまらずコングに問い掛けた。

 コングは心外そうな表情で、

 「見れば分かるだろう。このコング様の筋肉美を観客に見せているのだ」

 またポーズを取り出した。

 クレアはカクンッ、と膝を落とした。

 「…あ、そう…」

 もはや声にも力が入らない。

これほど強い相手と一対一で戦ったことは無いが、これほど脱力感が伴う相手と戦ったことも無い。

クレアがうな垂れていることに気づいたコングは、

「それに、そう遠くない未来の妻に、眼前でこの『美』を焼き付けて貰いたいしな」

大真面目な表情で、一人うんうん、と頷いていた。

ゾワゾワゾワゾワッ!

「冗談っじゃないわよっ!」

再度、コングに突っ込むクレア。それに対し、

「やれやれ、しゃあねえ。未来の嫁さんを傷つけたくはねえが」

溜息をつきながらコングは先程のように、拳で地面を抉るよう叩きつけた。

「何度も同じ手が通じる訳ないでしょっ!」

ヒステリック気味に喚くクレア。同時に、ショートソードの柄に埋め込まれたマジックストーンが青く輝き出す。

クレアの目の前に物質化された氷が出現。無数の氷塊と、飛来する石版の破片が勢いよく衝突する。更に、一部の氷塊がコングを襲った。