クロスガード
「くっ!」
コングの右ストレートを両腕でクロスガードする。それでもコングのパンチは2メートル程レイを後退させた。
「チッ!」
馬鹿力にも程があるぞっ!
奴にやられた左肩はこの試合では使い物にならねえ。骨がイカレてやがる。
右肩はナイフで突かれたが、皮だけだ。問題はねえ。
奴は二本のナイフを失った。こちらも左腕が使い物のならねえが、条件的には五分五分のはずだ。
(これは俺にとって負けられん戦いなのだっ!)
コングは激しい誤解という名のガソリンを、己の愛情に溢れる位ガボガボ注いでいた。
ダメージはコング、という奴の方が大きいだろう。だが、自分も主たる武器のミステイックメタル神銀鋼製ナイフを失ってしまった。
更には先程の意表を突かれたコングの攻撃で、両腕はまだ痺れていた。
(チャンスに変わりはないが、それは奴とて同じ事)
いや、コングを倒せるだけの決め手に欠ける分、レイの方が不利だ。一撃でコングを行動不能にしなければ、逆にコングが一撃必殺の機会を得ることになる。