航海63
闘技場内にシンの気配が感じられない…
(……まさかっ!)
更に集中力を高め、闘技場外の気配を探る。
(これかっ!)
高速で移動している大きな気配の塊。
「コングッ!この試合は俺の負けだっ!試合放棄するっ!」
そう叫び終わる前に、レイは二本のナイフを回収し、会場を後にしていた。
コングは口をまほっ、と開け、ポカーンとしていた。
「ま、待ちなさいよっ!」
正気を取り戻したクレアもレイの後に続いた。
「ちょっと、どう言うことよっ!試合放棄なんてっ!」
走りながら叫ぶクレア。確かにレイの方が押されていたが試合放棄することはないだろう。まだ何とかなったかもしれないのに。
闘技場の通路を全速力で駆け抜け、辺りを見渡すレイ。
「聞いてんのっ!?」
クレアはレイの耳元で怒鳴った。
「シンが危ないっ!」
「えっ?どうして…」
「説明はあとだっ!シンを探すぞっ!」