花婿
「あたしをっ!?」
一体誰が!?
「お前の花婿…コング、とか言っていた奴だ」
ゾワワワワワワワッ!
あいつが追ってくる…
まずいっ!
まず過ぎるっ!
「レイ、早くここを…」
苦しそうに告げるシン。
レイは頷きながら、
「わかっている。準備しろ、クレア…それとも俺達とはここで別れるか?」
レイの問いに一瞬沈黙するクレア。
エアバイクも二台ある。
これ以上彼等の危険な旅に付き合う必要は無い。
しかし、
「…誰に言ってんのよ、あんた。あたしはね、やられたらやり返す主義なのよ。あいつ等のせいで、あたしは闘技場で換金できなかったんだから」
胸を張って答えるクレア。
「…強情っ張り…」
「何か言った、シン?」
「…わかった、じゃあ行くぞ…」
シンにも、レイにも、クレアが自分達についてくる理由はわかりきっている。何だかんだ言って、クレアも結構なお人好しなのだ。
自分よりも年下の、顔面蒼白の少年を見捨てていくことなどクレアには到底出来ない。