借り
…それに、ひょっとしたら、シンを襲ったあの連中は、クレアにとって『借り』がある相手かもしれないのだから…
三人がたどり着いたのは、とある古代遺跡だ。
「ちょっと、こんなとこで何すんのよ」
クレアは率直に疑問を口にした。
「俺達がシュレジェンに行った目的はなんだ?」
シンを背におぶったレイが逆に質問で切り返す。
「確か金が残り少なくなったんでしょ?」
レイは頷きながら、
「金が無いとどうなる?」
クレアは至極当然、と言わんばかりの口調で、
「そりゃ何も買えないじゃない、そんなの…あっ!」
言っていたが、何かに気づいた。
「そうだ。俺達は食料はおろか、水すらも持っていない」
「ど、どうすんのよっ!」
水も食料も無しで、この広大な砂漠を渡ることは無謀以外の何物でもない。
「移動は全て夜に行う。そうすことで体内の水分の消耗を最小限に抑える事が出来る。運が良ければバザーと遭遇するかもしれんし、古代遺跡の中で保存食の一つでも見つかるかもしれん」
驚いた。
あんな状況なら後の事など全く考えられないのが当たり前だ。
だがレイは数多ある方法の中から、恐らくは最善と思われる方法を考案していたのだ。
「もうすぐ夜が明ける。遺跡を探索するぞ」
「わかったわ、そうしましょ」