人違い
ここまで説明されてやっと事情が飲み込めてきた。つまり、シンは『人違い』で命を狙われている、ということだ。
「…つまりシンは『白き悪夢』と間違われているのね」
レイに一応確認する。
「…ああ。俺はシンを何とか逃がそうと、こうやって旅を続けている…髪を切ったり、染めたりしようかとも考えたが、奴等にシンの顔を覚えられてしまったから、あまり意味が無い…それに変装することは逆に周りの人間に怪しまれるしな…俺達は情報がまだ行き届いて無い中小都市を経由して逃亡することにした…だが、それでは根本的な解決にはならない…俺達の旅の目的は一つ…『白き悪夢』を消すことだ…」
「!」
「…『白き悪夢』を消すことで、シンが無実であることを証明する以外にシンを救う方法は無い…」
そう言うレイの後ろ姿には悲壮な決意が漂っている。
「…これが俺達の旅の目的だ…危険この上無い…死んで当たり前…生きていればもうけもの…お前はそれでも…一緒に来るのか?」
クレアは頷く。振り返り、クレアの目を見たレイは、説得は無理だと悟った。