航海2

生体兵器

生体兵器

「…でも、シンが『生体兵器』じゃない、っていう明確な証拠があれば、そんな危険をおかす必要も無いのに…」

「…あることにはある…奴は白髪だったそうだが、目が深紅の瞳だった、と言う証言もある…最もこんなことを言ったところで、周りの奴等は聞く耳持たなかったが…それに…」

「それに?」

「…あいつが人を殺せる…いや、傷つけることができると思うか?」

クレアはシンのホエホエ顔を思い出した。とてもではないがそんなことは出来そうにも無い。クレアは思わず苦笑いをもらした。

「…さて、じゃあ食料を運び出そう…」

「待って。もう一つ聞かせて」

再び歩き始めたレイは止まらずに、

「…なんだ、手短にな…」

素っ気なく言う。

「…どうして、そこまでしてシンを守るの?」

まるで、クレアのおさななじみ幼馴染、今は亡きロイのように…

レイは歩みを止め、クレアの方を振り返った。

「…俺にとってシンはかけがえのない『友』だからだ…命を賭してでも守るに値する、な…」

クレアの碧眼を真っ直ぐに見つめる。

「…この答えでは不足か?」

クレアは首を横に振った。

「…いいえ。でもあたしの周りってやっぱ馬鹿ばっかね」

何かが吹っ切れたようなクレアの表情だ。

「…貴様も含めてな、クレア…」

「何か言った、レイ?」

「…聞こえなかった事にしておけ…」

遺跡の通路に笑い声が響いた。