航海2

蹴りを繰り出したクレアの右足は、コングの左手でがっちりと握られていた。

 更に右手もクレアの右足をつかみ、

 「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ジャイアントスイングでクレアを投げ飛ばそうとする。

振り回されながらもクレアは、

「調子にのんなぁぁぁ!このブタゴリラッ!」

 腰に携帯しているショートソードを抜き、コングの右手に突き立てた。

 「つう痛ぅ!このおぉぉぉ!」

 コングはクレアの足をつかんでいた左腕一本で、軽々とクレアを放り投げた。

 地面に接触しながら受身を取り、すばやく立ち上がってショートソードを構えるクレア。

 「…痛いわねえ。やってくれるじゃないっ!」

 悪態をつきながらもクレアはこの相手が強敵であることを察知した。

(図体だけじゃないわね、この筋肉ブタゴリラ)

 この闘技場でチャンプをはっているだけのことはある。クレアの蹴りを瞬時のうちに見極めるのはそうそう出来る事でない。

 コングは不気味な笑みを浮かべる。

 「ウェッヘッヘッヘッ、やるなあ。おい、賭けをしないか、クレア、だったか」