花嫁
「あんた、ほんっき本っ気で言ってんの?」
クレアは、これ以上は無いという位、害意や憎しみ、嫌悪感等々…ありとあらゆる負の感情を込めてコングに確認する。常人ならばその尋常ではないクレアの『気』に誰もが気づくだろうが、残念なことにコングは色々な意味で常人ではなかった。
「当ったり前だ!俺様の誠意っつうもんがわかんないのか!?」
コングの言葉を聞いて俯くクレア。
(ちょいと言い過ぎたか?)
間抜けにもコングはそんな事を考えていた。
俯いているクレアの肩が震えている。
「お、おいっ、泣いてんのか、お前?」
自分のこの誠意にやっと気づいて、感激の余り泣いてしまったのであろうか?
だがクレアは、人間のものとは思えない陰険な声を発しながら、その瞳に剣呑な光を宿していた。
「泣いてる訳ないでしょっ!この勘違い筋肉ハゲブタゴリラッ!」
クレアはコングに悪態をつきながら、真っ正面からコングに突っ込んで行った。観客の誰もがその行為は無謀に思えた。
「ウォッシャァァァー!」
コングは気合と共に、リングの石版に拳を抉り飛ばすように振り下ろした。砕けた石版の破片がクレアを襲う。
クレアは咄嗟に右側に飛んで、飛来した石版の破片をかわした。が、そこに、
「ウォゥリャァァァ!パワーショルダァァァ!」
叫びと共にコングが突進してきた。